はじめてのガイド

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夏の暑い時期だった。

カヤックを使って海や川で遊ぶ日々を見た人から、ふいに「息子たちを夏休みに遊びにつれていってほしい」と頼まれた。

頼まれたからにはと、気分はすっかり憧れのアウトドアガイドになっている。

コースを考えるうちにできるだけ、自由に。水面を滑るカヤックを楽しんでほしいという気持ちが強くなって、あれこれ言わないほいが良さそうだという結論に至った。

三瀬谷ダムの上流は複数の支流が流れ込んでいる。湖面スレスレに立木が枝を張り、それをくぐって見せたり、小さなV字の谷間を縫うように進むのが進むのがおもしろい。
支流への導入も魅力的で湖岸の道路にかかる橋をくぐるところから始まる。
ちょっとした冒険心があるなら、橋をくぐる水路を見つけたら進みたいと思うはずだ。

そんな思惑どおり、二艇のカヤックは支流に誘い込まれるように連なった。

冒険心は、浅くなって漕げなくなっても止まることを知らず、支流を歩く沢登り変わった。
腰まで浸かる淵をこえ、魚を網で掬いながらたどり着いた小さな滝止まりは、冒険のラストに相応しく、選んだ道を進みきった満足気な顔をみせてくれた。