春と冬の間というのは本当に短い。
少し気温が上がって、山から春の匂いが降りてきて、鳥たちが騒めき、木々が一斉に芽吹く。
おや、春かな。と思ったら、数日後には、もうすっかり春そのものになってしまう。
僕はこの冬と春の間の季節が大好きだ。
3月18日は、そんな季節感のある山登りになった。
道の脇には、春を告げるフクジュソウとセツブンソウが見られて、山頂付近は冬を惜しむかのように残る雪。
陽光に包まれて歩き出した登山道も、稜線にでて頬に当たる風はまだ冬の冷たさで、僕も山と同じように、冬を名残惜しんだ。