三度目の宮川

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宮川を訪れるのは三度目になる。

一度目は長ヶの発電所から頭首湖までの区間を、去年の春に漕いだ。
深いV字の渓谷を素晴らしい天気の中下ることができて、味をしめた僕らはさらにその夏、未踏だったさらに上流の三瀬谷ダムのたもとから、長ヶ発電所までを漕いだ。

これで宮川中流域の半分は繋いだことになる。

これより下流は、親水公園なども点在していて、人の気配が濃いものになってしまうから、自ずと意識は上流の方に向き、今回の進水は三瀬谷ダムのダム湖を遡上することになった。

大台ヶ原のたもと、宮川の最上流は次の楽しみにとっておいてある。
トレッキングも交えて深部までわけいるのは本当に楽しみだ。

三瀬谷ダム湖は予想通り、前日までの雨で濁っていたが、ちょっとした支流に入っていくと澄んだ水が流れている。

今夜の野営地はどこかの支流になるだろうと、春の風を浴びながらぼんやりとパドルを漕いでいた。